気がついたこと、考えたこと、研究したこと、食べてみたこと
優劣付けられない両者の比較 とれとれ人気が上昇中
熟成栗が人気です。収穫後の栗を直ちに冷却し、0度以下の氷温で保存します。栗は、「凍るまい」と抵抗し、デンプンを糖に変えます。
1週間ぐらいでわかりやすい変化が見られ、5-6週間で甘さはピークに達します。少しキャラメル、少しバニラの優しい甘い、栗らしい優しい「まろ~ん」とした
香りも立ち上がってきます。人気が出て当然です。
一方、昨年から熟成させない「とれとれ栗」の人気がぶり返してきました。
とれとれ栗は、力強いデンプンの食感、ミネラル感、フランス語でいう「テロワール」(直訳なら土。意訳なら風土)そのもの鮮烈な風味が優れます。
一口にホクホクと言われますが、品種毎のこまかいデンプンのニアンスの違いもわかりやすいです。
渋皮煮など甘さを後で付ける場合から始まって、栗ご飯などでにお使いの場合でも、とれとれ栗を指定されるお客様が増えました。
令和4年度の飲食店様向けのご予約では、ついに「とれとれ」の人気が「熟成」を逆転しました。
私どもも散々試しましたが、別の種類の楽しみがあり、優劣は付けられません。文章では十分お伝えできるものではありませんが、それでもこの文章を参考に、お好みをご指定下さい。
あえてお勧めするとすれば、とれとれをご購入になり、半分はすぐにお召し上がりに、半分はチルド室に2週間以上放り込んでご家庭での熟成をお楽しみいただく、「欲張りプラン」です。
とにかく冷蔵 乾燥を防いで
栗は比較的日持ちのするお品ではございますが、より長く美味しさを保つために、丹波農園では次のお取り扱いをお願いしております。
甘さが欲しいとき
ぐらぐらと沸いたお湯に栗を放り込んで、茹で上がったらすぐ食べる。栗のもつ素朴な「力」を感じていただける第一の料理法です。
一方、甘さが欲しいときは、逆にゆっくりゆっくりと加熱して下さい。水から炊いて、意識して65度~80度の温度に居る時間を長くして下さい。温泉卵を作るときに少し似ています。勘でもできますが、ここは温度計があった方が絶対に楽です。
80度以下で30分程度加熱したら、今度は温度を上げて10分程度ゆで上げてください。
アミラーゼがガンガン働いて、甘い栗をお楽しみいただけます。